thumbnail

フルリフォームか建て替えか?費用比較・工期・税制まで徹底検討

「今の家をフルリフォームすべき? それとも建て替えた方がよい?」――多くの人がつまずくポイントです。この記事では、費用比較・工期・税制をやさしく整理し、見積もりの取り方や会社の選び方まで一気に解説します。最後に、複数社の見積もりをまとめて取り寄せる方法も紹介します。迷いを数字と手順に“見える化”して、納得の結論に近づきましょう。


本記事のポイント

フルリフォームと建て替えを費用・工期・税制で比較。見積もり比較の進め方と判断基準を提示。



中古マンションを購入して内装リフォームするメリット

中古マンション購入+リフォームの魅力

中古マンションを買ってフルリフォーム(内装の大きな改修)をすると、新築よりコストを抑えつつ理想の間取りや素材を選べます。例えると、土台のしっかりした“中古の良い自転車”に、自分好みのサドルやタイヤを交換していくイメージです。必要なところを重点的に手当てできるので、ムダが減ります。

  • 新築より初期費用を抑えやすい
  • 立地の選択肢が広い(駅近や人気エリアにも在庫がある)
  • 完成像を自分で決めやすい(床材やキッチンのグレードなど)

Tips
物件選びでは管理状況(修繕計画・管理組合の運営)を必ず確認しましょう。共用部の状態は長い目で見た住み心地に直結します。

購入前に知っておくべき注意点

フルリフォームには注意点もあります。事前に把握しておくと、やってからの“想定外”を減らせます。

  • 築年数と構造
    • 壁式構造は壁が耐力を担うため、大きな間取り変更が難しいことがあります。
    • 配管経路・梁の位置など構造上の制約は先に確認。
  • 管理・修繕履歴
    • 長期修繕計画の有無、共用部の劣化状況をチェック。
  • 規約・法令
    • 管理規約で床材の遮音等級や水回り位置の変更に制限がある場合があります。
  • 追加費用の芽
    • 解体後に下地や配管の補修が必要になるケース。予備費(1~2割)を予算に計上すると安心です。

内装リフォーム費用の内訳と相場感

フルリフォームでも建て替えでも、総額は「工事費」+「付帯費(設計・申請・仮住まい・引越し等)」で構成されます。まずは内装リフォームの主な内訳を押さえましょう。

主な工事項目別の費用目安(キッチン・浴室・床・壁など)

下表は“よくある価格帯の一例”です。グレード・面積・現場条件により変動します。

項目 目安費用(例) 費用差が出る主因
キッチン交換 50〜150万円 レイアウト変更の有無、食洗機・ガス/IH、天板素材
浴室(ユニット)交換 70〜150万円 サイズ、断熱・乾燥機、保温浴槽
洗面室 15〜50万円 収納一体型、配管延長
トイレ 15〜40万円 タンクレス、内装一式同時更新
床張り替え(1室) 10〜30万円 面積、無垢材or複合、遮音等級
壁紙張り替え(1室) 5〜20万円 面積、下地補修
断熱改修(窓交換等) 30〜120万円 サッシ種類、サイズ、窓数
間取り変更(部分) 20〜150万円 壁撤去の可否、補強の要否
配管・電気更新 30〜120万円 築年数、露出/隠蔽、幹線容量

Tips
住設機器は「標準」「ハイグレード」で価格差が大きくなります。ショールームの体験で体感差を確認すると納得度が上がります。

補足:フルリフォームと建て替えの費用・工期・税制をざっくり費用比較

下は“方向性をつかむ”ための早見表です(エリア・面積・仕様で大きく変わるため、目安として活用してください)。

比較項目 フルリフォーム(マンション内装中心の想定) 建て替え(戸建の一般的想定)
初期費用の目安 500〜1,500万円前後(70㎡級の内装中心) 1,500〜3,500万円前後+解体費
工期の目安 1〜3か月(内容により前後) 4〜8か月(設計〜確認申請〜工事)
住みながらの可否 内容により可/不可(全面改修は不可が多い) 原則不可。仮住まい費用が必要
解体・仮住まい 解体は内装中心。仮住まいが必要な場合あり 既存家屋の解体費+仮住まい費用
税制の主な論点 省エネ改修等の控除・補助が対象になる場合あり 住宅ローン控除・登録免許税・不動産取得税等の対象に
自由度 構造・規約の範囲で変更 間取り・断熱・耐震まで新基準で設計可能
  • “どちらが得か”は 劣化度合い(躯体の状態)将来の住み方 次第です。
  • 躯体や耐震に不安が強い戸建は建て替えを検討する余地が大きく、マンションの内装刷新はフルリフォームが合理的になりやすい傾向です。
  • 税制・補助は年度により内容が変わるため、最新情報の確認が前提です。

予算計画の立て方と優先順位の決め方

予算は「必要」と「希望」を分け、順番を決めるとブレません。

  1. まず安全・衛生の“必要工事”
    • 配管更新、漏水リスク対策、電気容量の見直し、段差解消、断熱など。
  2. 次に生活満足度の“改善工事”
    • キッチン動線、収納拡張、内装の素材感など。
  3. 最後に“嗜好の強い工事”
    • ハイグレード素材、造作家具一式など。
  • 予備費(全体の1〜2割)を必ず確保。
  • ローン・自己資金・補助金の組み立てを早期に試算。
  • 家族のライフイベント(出産・進学・介護)を5〜10年スパンで見込み、後からやり直しにならない順序にします。

Tips
迷ったら「毎日触れる場所」から優先。キッチン・浴室・床は満足度に直結します。


優良なリフォーム会社を選ぶためのポイント

信頼できる会社の見極め方(実績・資格・口コミ)

会社選びは“情報の三点測量”が安心です。1つの情報に頼らず、複数の角度で確認しましょう。

  • 実績
    • 近しい面積・構造の施工事例写真、ビフォーアフター、費用帯の開示。
  • 体制・資格
    • 建設業許可、建築士・施工管理技士、マンションリフォームマネジャーなど担当者の資格。
  • ルール順守
    • 近隣配慮計画、マンション管理規約の遵守、養生計画。
  • 口コミ・第三者評価
    • 複数サイト・紹介・地元評判を横断して確認。
  • 担当者のコミュニケーション
    • 説明が一貫し、質問に対して根拠を示せるか。

Tips
現地調査のとき「配管・梁・電気容量」を自ら確認する会社は、計画精度が高い傾向です。

契約前に確認すべき重要項目

見積書だけでなく、契約書・仕様書・工程表の“セット”で確認します。

  • 工期(開始・完了の目安、引き渡し条件)
  • 支払い条件(着手金・中間金・完了金の割合)
  • 追加費用の発生条件(仕様変更・想定外補修の扱い)
  • 保証・アフター(設備メーカー保証、施工保証、点検)
  • 瑕疵保険の加入可否
  • 近隣対応(騒音・粉じん・エレベーター使用時間の取り決め)
  • 設計変更時の記録方法(変更指示書・メール合意など)

見積もりの取り方と比較方法

見積もり書で必ずチェックすべきポイント

“同じ物差し”で比べると、価格の理由が見えます。

  • 工事項目が具体的か(「一式」が多すぎないか)
  • 単価・数量が明示されているか(㎡・m・台数など)
  • 養生・解体・搬出・産廃処分など付帯費の計上
  • 電気・設備の配管延長や下地補修の想定
  • 諸経費(現場管理費)や値引きの根拠
  • 工期・人員体制と工程表の整合

見積もり比較チェックシート(例)

チェック項目 A社 B社 C社
仕様が図面と一致
単価・数量の明記
付帯費の計上
工期の根拠
追加費用の条件

Tips
仕様書と見積書に“同じ用語”を使ってもらいましょう。呼び方が違うと比較が難しくなります。

複数社比較で失敗を防ぐコツ

  • 同じ条件で依頼(面積、使用設備、仕上げ、希望工期を統一)
  • 合計だけでなく内訳を照合(費用比較の本質は“何にいくら掛けるか”)
  • 現地調査の“質問力”を見る(劣化や制約に踏み込む会社は精度が高い)
  • “安い理由”の説明が筋が通っているかを確認
  • 候補を2〜3社に絞り、設計打合せの深さで最終判断

Tips
単価差が大きい項目は“仕様・施工手間・リスク見込み”のどれが理由かを質問すると、比較の軸がはっきりします。


PR: 無料見積もり比較サービスで最適な会社を見つける

「ハピすむ」を活用した賢いリフォーム会社選び(PR)

複数社に個別連絡すると、日程調整や条件説明だけで疲れてしまいがちです。比較のスタートラインに立つまでを効率化したいなら、一括で見積もり依頼できるサービスの活用が便利です。以下から条件を入力すると、対応可能な会社の見積もりをまとめて取り寄せられます。

  • 条件の共有が1回で済むため、時間と手間を省けます。
  • 複数社の提案が並ぶので、費用比較と仕様比較がしやすくなります。
  • 依頼内容をそろえて送ることで、同条件の見積もりを得やすくなります。

※サービスの内容・対象地域は変更される場合があります。詳細は申込画面でご確認ください。


まとめ:中古マンションの内装リフォームを成功させるために

本記事の要点振り返り

  • フルリフォームは既存の良さを活かしつつ、内装を一新できる選択肢。建て替えは耐震・断熱まで最新基準で設計できる選択肢。
  • 方向性は「躯体の状態」「将来の住み方」「税制・補助の適用可否」で判断。
  • 見積もりは“同じ条件”で複数社に依頼し、総額だけでなく内訳まで比べる。
  • 契約前に工程表・仕様書・保証・追加条件をセットで確認。
  • まずは相場観づくり。複数の見積もりと提案を並べて、納得できる根拠を集めましょう。

次の一歩は「条件を整理して、比較の土台を作ること」です。予算・希望・優先順位を書き出し、複数社に依頼して具体的な数字で比べてみてください。数字が揃えば、フルリフォームと建て替えの“あなたにとっての正解”が見えてきます。